台湾ママさんが帰ってきてるので
この前遊びにいった。
たろさんが中学はいって、その後どう?って聞かれたので
話しのなりゆきで、中間テストけっこうがんばったのに
あんまりできばえよくなかったことを話した。
そしたら勉強はこういうふうにさせたらいいんだよ、
と彼女のやりかたを教えてくれた
台湾ママさんの娘ちゃんはすごく出来がいいらしくて
学校ではいつも5番以内。
台湾では小学生も、放課後、学童もかねた塾に通うのが
当たり前だけど、彼女は塾にも通っていない。
それで、どうやって勉強させてるの?って
最近男の子のママからも聞かれて
教えてあげたんだそうだ。
やってることは、授業中集中してしっかりきくようにし、
大切なところは蛍光ペンで塗る。
先生が大切だといった内容は
教科書の欄外にメモをとる。
家に帰ったら宿題をしっかりする。これだけ。
ドリルも買ってない。
台湾は小学校でも中間・期末テストあるんだけど
テスト前には授業で言われたことを見直し、
宿題で間違えたところを見直す。これだけ。
テスト問題ではポイントになる数字やキーワードにマルをつける
だけどこれができていなかったら、
テストで正解していてもペナルティがあるんだって。
教科書の欄外にメモをとるのを忘れたり
大切なところを蛍光ペンで塗ってなかったりしたら
やっぱりペナルティなんだって。
うちも、勉強関係じゃないんだけどペナルティがあることはあって
毎日やらなくてはならない当たり前のことが
10コか20コぐらいあるとするよね
たとえば寝間着は脱いだら寝室へとか
靴下は脱いだら洗いかごへ
制服ズボンは脱いだらハンガーにかけるとか
もらってきたプリントはその日のうちに出す
牛乳のんだら冷蔵庫にしまう
明日の教科書は寝る前に準備する
トイレットペーパーなくなったらかえとく
トイレットペーパーの芯はゴミ箱にすてる
おかし食べたら包装はゴミ箱にすてる
はさみ使ったらしまう
こんなあたりまえのことも
彼はペナルティがないとできないし
ペナルティがあっても、毎日8割ぐらいしかできない
ペナルティの内容は、やるべきことの重要度から、
おやつなしとか、その日ゲームができないとか
ひどいときはゲーム一週間できないとかだけど
上記のようなやって当然のことですら
100%を求めたら、
彼はおやつをたべられるのも
ゲームをできるのも一年に数日あるかないかだ。
やるべきことをおぼえておくために
メモに書いて見えるところに貼っておきなさいといっても
メモをとることを忘れる
どういうことを書いたらいいかわからない
あとから読み返してもわからない文を書いてしまう
書いてももちろん読み返さない
それどころかメモを置いたところを忘れる
目立つ蛍光の付箋の書いて洗面所に貼っても2日目からは目に入らない。
長年彼とつきあってきて、
これは「手をぬいてる」とか「ヤル気がないから」とかじゃなくて
本当にやる能力がないんだと感じる。
だから私も彼に100%を求めない。
彼はまったく夢遊病者みたいなもんで
自分の意識で自分をコントロールすることができない。
だから、そういう意味では彼はもうペナルティを与えるにしても
差し出せるものは何もない
ということを話すと
それはペナルティが本人にとって
一番大切なものじゃないからだ、って
台湾ママさんは言う。
このペナルティは、本人が一番気にしていること
一番ほしいもの、あるいは一番失いたくないものである必要がある
たとえば台湾ママさんの娘ちゃんだったら
お金をすごく大事に思ってるから、お小遣いをとりあげる。
あるいは逆に100点とったら100元(350円ぐらい)あげる。
あるいは一番楽しみにしているお出かけをキャンセルにするとか
とにかく一番本人がなくしたくないものとか
ほしいものをかけて
本気出させるのが大事なんだって
それで本当におでかけキャンセルするのはかわいそうだし親もつらいけど
そういう努力が実っていまは必ずルールどおりにできるようになったし
ペナルティ与える必要もなくなった、って。
しかしな。
正直それはまったくたろさん向きではないと思うんだ
たろさんは、テスト前に何十回言っておいても
ピリオドを書くのを忘れてしまう子。
昨日、今日でwantをwontと書く間違いを5回やって
そのたびに「英語ではウォという発音はふつうwaと書く。
woと書くことはほとんどない」という説明をしてもまだwontと書く
本人がヤル気がないわけではなく反抗してるわけでもなく
まったく大真面目に本気でやっていても頭に残ってない
もし大切な宝石のコレクションがかかっているとしても
なんなら私の命がかかっていても
彼はやっぱりwontと書くだろう。
私はこれまで身近にこんなアホがいたことがなかったので
私だって以前は、アホもヤル気次第なんじゃないかとか
努力不足だとたかをくくっていた面があった。しかし、
彼の記憶システムの構造がどうなっているのかわからないが
彼は自分でも、覚えたことが
どこの引き出しに入っているのかがわからないのだ。
このことを台湾ママさんに伝えようとしたんだけど
それはまだ本気出していないから本気だせばできる
「そこで諦めないで!」と励まされてしまった。
そのためには親も本気出さないとダメなんだって
自分の胸の痛みにまけて手をゆるめちゃダメなんだって。
なんかあまりにも勢いがすごくて
私が「わかったそのやり方でやります」と言うまで
終わらない感じだったから
途中でもうこの話しはここまでにしよう、っていって
おしまいにしてもらったんだけど
なんだか疲れた。
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