たろさんたちとセブンにおやつとジュース買いに行き
戻ると運転手のおじさんが来ていて
パパさんと荷物を前にして呆然としていた。
思っていたよりもずっと私たちの荷物が多かったのかもしれない。
大型タクシーなので座席は3列あって、最後部のスキマに
私たちの荷物とベビーカーは詰め込まれた。
そしてパパさんは問答無用で助手席、
私たちは一番うしろの狭い2人席につめこまれて車は走り出し
すぐオレンジホテルというホテル前についた。
オレンジホテルは高雄のホテル検索してたときにチェックした記憶があった。
たしか部屋が狭いわりに値段は高めだったのでスルーしたはず。
運転手さんはホテルに入っていきすぐに戻ってきて
指を宙に振り回しながら「なんちゃらかんちゃらインハン」と言った。
どうやらあいのりのお客は銀行にいっちゃったらしい。
(ピンズラーでインハンという単語が出てきたことがないのに
どうしてインハンと聞いて銀行と思ったのか不思議だったんだけど、
帰国してしばらくたった頃に「中国嫁日記」を読み返してたら
その単語が出てきた。
記憶って思わぬところで知識をひろっているものだね・・・)
15分ぐらい待つと、スーツケースを持った家族がやってきた。
スーツケースは屋根の上に乗せられた。
銀行に両替に行くぐらいだから外国人だと思ったら
見た目アジア人だし運転手さんとふつうに中国語で会話している。
お客は3人家族で、私たちより少し上のお父さんお母さんと
14,5才にみえる男の子だった。
英語で挨拶してみるとなめらかな英語で返事が返ってきた。
その家族は香港から来たひとだった。
お父さんは知的な雰囲気、そして社交的で話しやすいひとだった。
奥さんは出しゃばらない感じで静かに聞いているほうだったけど
喋ればとてもなめらかできれいな英語を話した。
対照的に息子さんは細っこくずっとスマホに釘付けで
ひとことも口をきかずいかにもオタクっぽく、うちのパパさんみたいだった(^^;
3人ともメガネをかけていた。
(台湾にもメガネのひと多いけど香港もそういう印象がある。
私はメガネ好きなのでメガネの多い国(地域)は好きなのね(^^;)
旦那さんがたろさんと息子さんを見比べて
「この子も10年前は彼みたいにラブリーだったんだ」
と言ったので
「あら今もラブリーじゃないですか」
と答えた。
実際息子さんは体は大きいのにお母さんによりかかったりしてかわいい感じだった。
(→メガネ好き+オタクに萌えるタイプ)
香港ファミリーは7日間の旅行で、高雄4日、恆春1日、墾丁2日の予定。
今日は恆春に泊まるんだそう。
ホテルはどこに泊まっていたか聞かれ、金馬の読み方がわからなくて英語名で答えた。
金馬はゴールデンホースじゃなくてリバーサイドって言うんだよね。
そしたらなんとそのご家族も、一昨日の晩はリバーサイドに泊まっていたんだって。
奥さんが、
「オレンジホテルはよくなかったわ、値段も高いし窓もないのよ」と言っていた。
わかる!窓のない部屋は内装がキレイでも照明が明るくてもなぜか気が滅入るのよね
けろりはまもなく昼寝にはいった。
高速は結構な交通量があるのにものすごく車線を縫う運転で、
タクシーはときに130kmを出し、1時間半ほどで恆春についた。
香港ファミリーの奥さんは2列目の真ん中の、前方がよく見える席にいたので
かなり怖い思いをしたみたい。
そのことを運転手さんに言ったら
「こちらの旦那(うちのパパさん)は大物だよ。どんだけスピード出しても
ぐうぐう寝てるから」と言われたよ、と旦那さんが教えてくれた。
そう言われたよ、とパパさんにあとで報告したら
あまりに怖くて見ていられなかっただけだった(^^;
恆春が近くなった頃に、香港ファミリーの奥さんから
「あなたたちはこのタクシーをいつ予約したの?」
と聞かれた。
「今朝駅前を歩いてたらこのおじさんから声をかけられたの」
と答えると、
「それは何時頃?」と聞かれた。
7時半ぐらいだったと答えると、
「そう」
と奥さんは言い、なんとなく意味ありげに黙った。
なんだろう?私たちのせいで出発の時刻を遅らされたりとか
早められたりとかいうことがあったんだろうか。
それで
「あなたがたはいつ予約したんですか?」
と聞いたら
「私たちは香港にいるときに、ホームページで見つけて予約したんだよ。
中国語のサイトだから、きっとあなたたちは見なかっただろうと思うけど」
と旦那さんが言った。
あれ、出発前からちゃんと予約してたの!
だとしたらこのひとたちけっこういい値段払ってるんじゃないのかな
あいのりなんて聞いてない!と思ったんじゃなかろうか
乗る前は、私たちとあいのりするひとたちは対等で
あちらも安い値段でもちかけられて乗ったんだろうと思ってたけど
あちらが本客で、こちらは運転手のお小遣い稼ぎだったんだわ
本来ならスキマに詰め込まれて申し訳なさそうに乗ってしかるべきだったのに
2列目に大人3人で座らせて、スーツケースも上に積ませて申し訳なかった・・・
恆春に入ると歴史の古そうな門があり、商店街もにぎやかで楽しそう。
こういう町を歩くのも好きなんだけど
子供たちにはまだ町歩きや遺跡のおもしろさがわからないから今回はパス。
ちょっと町の外に出ると、地面からガスが出てる「出火」という名所があって
地面から出る火でポップコーン焼いたりできるんだって
本当はそういうのも見てみたかったけど、そこは意外にパパさんが興味を示さなかった。
タクシーは裏道に入って、香港ファミリーの泊まるホテルについた。
いま調べてみたら阿德安[口尼]民宿というB&Bだったみたい。
http://www.uukt.com.tw/_tw/member/01_detail.php?kd=10554
出てきた女将さんはミズノのポロシャツを着ているし
1階は道場だったから
運動部とかが合宿で使う宿なのかもしれない。
ちょうどけろりたちがトイレに行きたいといい
「私たちの部屋のを使いなさい」
と香港ファミリーのパパさんが言ってくださったので
部屋まで上がらせてもらいトイレをお借りしたんだけど
とても清潔で広くて天井が高く、「わ!ここステキ」と思ってしまった。
香港ファミリーの部屋は、上のリンク先のページで見た感じ202号室で
夏の平日で2500元。
墾丁でこの広さでこの時期2500元ですむホテルはないと思う。
恆春は墾丁からもそう遠くないんだけど、海沿いじゃないぶん夏場もそれほど
値がはねあがらなくてホテルは全体に少し安いんだよね。
墾丁までバスは頻繁に出ているし距離も10キロもないんで
節約するなら恆春からビーチに通ってもいいかもしれないと思った。
この宿はすごく閑静な住宅街にあるんだけど、
恆春のバスターミナルからもそう遠くないし
徒歩圏内にスーパーマーケットもあるし
南門ていう見どころからも近くて、とてもキレイで広くて新しくて
もし恆春に泊まることがあったら来たいと思った。
それからタクシーはふたたび走り出し、20分もしないうちに墾丁に到着した。
ホテルについたのは11時。
高雄を出るときに、墾丁まで2時間といわれたけど
2時間もかからなかった。
さっきの家族のホテルに到着したときに、タクシーのおじさんは名刺を渡して
帰りも予約するようにと勧めていたけど、私たちのホテルに到着したときには
ものも言わずに走り去っていった。
中国語が通じないというのもあるけど、
帰りも700元で乗れると思ってもらっちゃ困る、ということなんだろう