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コロッとした私に、ある日ランニングの神が降臨した。

神よ、今日も走ります。

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2019

シェムリアップ


私が2002年に母との家出旅行で行ったとき
アンコールワットとその城下町シェムリアップは
地雷被害者が多くて
そこここに足のないひと、片手の欠けた子供がいて
そういうひとたちが懸命におみやげ売ったりしていた。

そのひとたちは本当に気の毒なんだけど、
すごく強気でしつこく売りつけてきて
断ると日本語でひどい悪態ついてくる
だからアンコールワットは、遺跡は素晴らしいんだけど
ときどき本当に気の滅入る旅行先だった。

当時からアンコールワットは世界遺産だったし
世界有数の観光地だったけれど
目抜き通りシバタ通りは、夕方になるともう閑散として
裸電球ひとつの屋台がぽつりぽつりとあるだけだったし
舗装されている道は少なく、町は赤土で覆われて、
一日外に出ていると白い綿シャツが肌色にかわった。
町中はつねにホコリっぽくて、
ホテルがプールを維持するなんて考えられなかった。

しかし、いま調べるとどうだろう。
現在のシェムリアップはバブルみたい。
ホテルの数は往事の倍なんてもんじゃないし、
どこも新しくこぎれいで
だいぶ奥まった道まで舗装され
かなり低いクラスのバックパッカーむけのホステルですら
池をちょっと大きくしたぐらいのプールはあるのが普通。

パブストリートという、近年のカオサンみたいな
旅行者むけのレストラン街があるし
あちこちにナイトマーケットができていて
夜は電飾でかざられるんだって。

ストリートビューはいまだに2013年のものだけど
なんにもなかったホテルの裏通りがレストラン街になってる!
逆に私たちが泊まったホテルはあの当時新築だったけど
20年もたたないうちにすっかり「古い、汚い」というレビューを集めて
去年あたり取り壊されてしまったようだった。

地雷は17年前にもかなり除去が進んでいたけれど
それでも何十キロか離れた遺跡に行くと
ドクロマークのついた、地雷注意看板が
道のはずれにあるときいていた。
観光地以外の一般区域はまだまだ地雷が埋まっていて
被害は出続けているともきいた。

あの当時市場で遊んでいた、指が2本しかなかった子供は
いまは20代のはずだけれど
いまも付近に暮らしているんだろうか?
1時間3ドルでマッサージしてくれた
あの盲人のマッサージ師さんはいまもあの街にいる?
電飾、プール、旅行者むけのレストランと
あの悲惨な地雷被害者のひとたち
それらが頭の中で重ならない
彼らがあの電飾の街で共存しているイメージがわかない

いろんなひとの旅行記を読んでみているんだけど
地雷被害者について書かれた日記は
いまのところひとつしかみていなくて
片足のない老婆が子供を抱いて物乞いをしていた、というものだけ
あの大勢いたひとたちはどこへ行った?

シェムリアップは享楽の街になって
ふさわしくないひとびとは
どこかツーリストの目のつかないところに
追放されたのだろうか。
それともツーリストたちは
そのようなひとたちを見てもなんとも思わず
享楽の夜を楽しんでいるのだろうか

子供たちがまだずっと小さかった頃
タイのイサーン方面に行ったときに地雷被害者らしきひとがいて
片手片足の先がなくなっているのを見て
「手がソーセージみたいになってた」といって
たろさんは怖がって泣いた。

世界にそういう痛くて悲しい事実があることは
いつかは知らねばならないことだとしても
小学生の子供たちにそれを目の当たりに見せるのは
衝撃が強すぎるのではないか
カンボジアは行くとしても先のことと思ってきたけれど
あの人々がいなかったら
「見せなくて済んだ、ああよかった」とはならないわけで。

どうなってるんだろう
あのひとたちはどうなったんだろう、という
黒い不安がなんとなく心の中でもやもやと動いている。
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夏の旅行にむけ、体力づくりのために始めたジョギングが楽しくなり、旅行後も走ってみています。すこ~しずつですが走れる距離が伸びていくのが嬉しい

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